長靴猫の軌跡

・ある日、長靴を履いた猫は我ら人間を殺めた。そして残ったのは一匹の長靴猫と一人の『食い倒れ騎士』だった。 ※短編や長編などが書き次第、更新していきます。
・長編一覧
闇烈火〜前書きキャラ紹介 2-1
天地創造〜

・短編一覧
つながりの糸 列車 “ネメシスとタナトス”
闇烈火〜プロローグ『悲しみの果てに』〜2―1
※08 1/27 更新、文章修正。

「大丈夫ですか?レンドさん!」
 身体を揺さぶるもぴくりともしなかった。
 倒れている青年の腕に手をやる。脈は少し弱く、目をすばやく走らせ身体中を見渡しても、身体のあちこちから血がどくどくと流れている。
 どう見てもとても危険な状態だった。早急に手当てしないと黄泉の世界へ旅立たせてしまう。

 横たわっている青年を揺らして起こそうとしてたが、まずは傷を手当てする方が先だと気づいてから、はやる気持ちをどうにかして抑えた。それから自身が使える特殊な能力、万物を司る源“エナジー”を駆使して、一つずつ慎重に開いた傷を塞いでいき治療する。

 だが、治療するのが遅かったのか目を疑うような現実を突きつけられた気分に次の瞬間襲われた。なんと青年の唇が徐々に紫色になり、肌も土気色になっているのを視界全体で捕らえたからだ。
 早く手当てしないと青年は二度と起き上がることもなくなってしまう。かといって焦りの心を持ったまま動くと失敗を呼び寄せる危険性があった。
“…想いをつなぐPRG…”

ふと俺は必死に売り上げを伸ばそうとそんな文句を垂れ流すCMに見入っていた。前世からの因縁で出会う仲間たちが題材になっているゲームらしい。
そう言えばサークルのヤツが言ってたな。中々の力作でやりがいがある、と。今度大学帰りにちょっくら買いに行ってくるとするか。

「何を見てるのかしら?エレボス」
ふとCMに見入っていると後ろから声をかけられた。時折わざわざ俺の家まで押しかけ、掃除や炊事などを実行してくれる後輩に当たる女性だ。ツインテールにしばられた髪が歩くごとに揺れる。その様はまるで彼女の意思を代弁しているかのように喜んでいるようでもあった。
 
 
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